徳之島、喜界島で本格化 水陸両用作戦の部隊展開 日米共同訓練

 

2023年3月3日 NHK「徳之島と喜界島の日米共同訓練を公開」

鹿児島 NEWS WEB
徳之島と喜界島の日米共同訓練を公開
03月03日 17時10分

離島の防衛を想定した陸上自衛隊アメリ海兵隊との共同訓練が、鹿児島県の徳之島と喜界島で行われ、3日その様子が公開されました。

この共同訓練は、陸上自衛隊と沖縄に駐留するアメリ海兵隊などあわせて1700人が参加して、先月16日から九州・沖縄で行われていて、3日は、鹿児島県の徳之島で行われている訓練の一部が公開されました。

訓練は、侵攻された離島を日米が共同で奪還するという想定で行われ、万田海岸では沖合に停泊した艦船から日米の隊員200人余りがボートや水陸両用車で次々と上陸しました。

このほか県内では、喜界島でも双方の輸送機から自衛隊員およそ100人がパラシュートで地上に降下する訓練が行われました。

訓練のあと記者会見した水陸機動団の梨木信吾団長は「国際情勢が厳しさを増す中、わが国の抑止力と対処力を向上させる上で大変意義ある訓練だった。今後も地元の理解を得つつ、共同作戦能力の向上に務めていきたい」と述べました。

また、第3海兵遠征旅団司令官のフリデリクソン准将は「今回の訓練は、アメリ海兵隊陸上自衛隊の信頼と協力の精神を象徴するものだ」と述べました。

2006年に始まったこの共同訓練は、これまではアメリカで実施されていましたが中国軍が南西諸島周辺で活動を活発化させる中、今回、初めて日本で行われていて、県内では今月7日まで続く予定です。

【喜界島では】

大規模な日米共同訓練が初めて行われた喜界島では、大勢の地元の人たちが訓練の様子を見ていました。

このうち20代の女性は「訓練が行われることに不安もありますが、いざというときには守ってもらえるのかなと思います」と話していました。

一方、60代の男性は「訓練が米軍と一緒にやると聞いて驚きました。喜界島を戦場にしないでほしいと思います」と話していました。

現場近くでは、市民団体が横断幕やプラカードなどを掲げて訓練に反対する姿が見られました。

鹿児島県護憲平和フォーラムの下馬場学代表は「県内では日米の共同訓練が立て続けに行われていて危機感を感じている。米軍に都合よく離島が使われているのではないか」と話していました。

 

【徳之島では】

徳之島町の万田海岸で行われた着上陸訓練を見にきた80代の女性は「アメリカ軍が来るのは怖いです。家が海の近くなので、何かあれば一番先に狙われると思います」と話していました。

また、近くに住む60代の男性は「今の国際情勢を考えると抑止力も必要だと思うが、ウクライナのように何かあったらここは戦場になるし複雑な気持ちです」と話していました。

徳之島と喜界島の日米共同訓練を公開|NHK 鹿児島県のニュース

 

2023年3月3日 南海日日新聞「徳之島、喜界島で本格化 水陸両用作戦の部隊展開 日米共同訓練」

徳之島、喜界島で本格化 水陸両用作戦の部隊展開 日米共同訓練
3/3(金) 13:01配信

南海日日新聞

燃料補給のため着陸した陸自の輸送機オスプレイ=2日午後4時すぎ、鹿児島県天城町の徳之島空港

 陸上自衛隊と米海兵隊による日米共同訓練「アイアン・フィスト23」は3日、鹿児島県の徳之島や喜界島などで本格化し、水陸両用作戦を担う部隊の展開訓練などが行われる。昨年11月に続いて日米共同軍事訓練が2度目となる徳之島では海岸への着上陸訓練を行い、輸送機オスプレイの離発着なども組み込まれる計画。初めて訓練が行われる喜界島では陸自第1空挺団のパラシュート降下を行う予定。

 陸上幕僚監部広報室によると、アイアン・フィストは水陸両用作戦を軸に装備を展開し、模擬戦闘や後方支援などを実践する大規模演習。2006年から米国本土で毎年行われており、日本国内では初めて実施。在沖米海兵隊と連携し「より実際の運用に近い訓練」を目指している。

 訓練全体の日程は2月16日~3月12日。参加規模は陸自の水陸機動団や第1空挺団など約800人、米側は海兵隊駐屯地キャンプ・ハンセン(沖縄県)の第31海兵機動展開部隊や米海軍第7艦隊など約900人が見込まれている。訓練は徳之島と喜界島のほか、キャンプ・ハンセンや大分県陸自日出生台演習場などでも実施している。

 3日は徳之島で沖合の米強襲揚陸艦アメリカ」、海自輸送艦おおすみ」から日米の偵察ボートと水陸両用車(AAV)、揚陸艇「LCAC(エルキャック)」を展開し、徳之島町の花徳浜で着上陸訓練を実施。伊仙町総合グラウンドではオスプレイが離発着する。陸自第1空挺団のパラシュート降下は主に喜界島で行い、徳之島でも着上陸訓練と連接させて実施する。

 徳之島では訓練本格化を前に2日、オスプレイが周辺を飛び交い、予行と燃料補給のため伊仙町総合グラウンドや徳之島空港に離発着した。当初は同日夕、花徳浜で着上陸訓練が予定されていたが、強い風が吹き、波が高くなったことから中止となった。

 奄美群島での日米軍事訓練は19年に初めて実施され、今回で5回目。22年度は昨年8~9月と11月にも行われており、頻度を増している。海洋進出の動きを強める中国を念頭に、南西諸島の防衛強化を強くアピールするのが狙いとみられる。

奄美の〝訓練地化〟顕著  相次ぐ日米軍事演習 自衛隊施設外も積極活用(南海日日新聞)