特攻隊を「散華」と記述 学徒隊は「動員」ではなく「志願」 ~ 中学教科書検定で文科省 ~ 令和書籍の2点を合格 (沖縄タイムス、2024年4月23日)

 

2024年、文部科学省が認定した、世にも怪しい令和書籍の竹田恒泰教科書。

 

沖縄戦について「沖縄を守るために、(略)二八〇〇人以上の特攻隊員が散華しました」「志願というかたちで」などの記述がある令和書籍の歴史教科書(複写)

 

特攻隊を「散華」と記述 学徒隊は「動員」ではなく「志願」 中学教科書検定文科省 令和書籍の2点を合格

2024年4月23日 

 

 文部科学省は22日までに、来春から中学校で使用される教科書の検定で合否を保留していた「令和書籍」の歴史教科書2点を追加合格にしたと発表した。同社の教科書は沖縄戦で「沖縄を守るために、(中略)二八〇〇人以上の特攻隊員が散華しました」と記載したほか、学徒隊の編成について「動員」ではなく、積極性の強い「志願」という表現を使用。識者らは史実的に誤解を与えかねない記述だと批判している。(社会部・新垣玲央、下里潤、新垣亮)

     
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 令和書籍は作家の竹田恒泰氏が代表を務め、2018年度の検定から中学の歴史教科書を申請。これまで3回不合格となっていた。

 

 沖縄戦の記述では、「爆弾を持ったまま敵艦に突入する特攻作戦」が「沖縄を守るために」行われたと説明。その上で「沖縄攻防戦では、中学生から高校生の男女二三〇〇人以上が、志願というかたちで学徒隊に編入され、一二〇〇人以上が死亡しました」とした。

 

 県史によると、1944年10月の陸軍特別志願兵令施行規則の改正などで、14歳以上17歳未満は志願や親権者らの許可などの手続きを経れば防衛召集の対象にすることが可能となったが、学徒らの場合は、その手続きがなされていない。

 

 ひめゆり平和祈念資料館(糸満市)の普天間朝佳館長は、志願的だと受け取れる証言も一部あるが実態は分かっていないと指摘。学徒隊を巡る記述で「動員」ではなく「志願」という表現を用いて「殉国美談」の文脈に続けたことに危機感を示した。「積極的、勇敢に志願し、亡くなっていったという物語にしか読めない。生き残った学徒たちは、死に向かわせた当時の教育や社会背景の恐ろしさを捉え直し、繰り返さないよう次世代に懸命に伝えてきた。その思いを踏みにじる表現だ」と述べた。

 

 「集団自決(強制集団死)」に関しては「逃げ場を失って自決した民間人もいました」とし、日本軍による関与や強制性、社会背景は読み取れない記述となっている。

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そもそも、ホンモノの歴史学者から「ここまでの無知となるとほとんど冗談としか思えない」と書かれてしまう竹田恒泰がプロデュースした本が、文科省の認定を受けること自体が「おカルト」である。


4年前、竹田恒泰が歴史教科書を書き始めた。

被爆者へのデマ拡散、平和教育はもうやめよ、と竹田恒泰

教育勅語さえ実践すればそれでよいの竹田恒泰


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