沖縄タイムス「陸自工事「約束違反」/カーンミ御嶽削り井戸も破壊/宮古島」 (2019年12月1日)

陸上自衛隊宮古島駐屯地建設に伴い大幅に削られたカーンミ御嶽=2018年1月、宮古島市上野野原(沖縄ドローンプロジェクト提供)


陸自工事「約束違反」/カーンミ御嶽削り井戸も破壊/宮古島 伊波参院議員が講演
2019年12月1日 

陸自工事「約束違反」/カーンミ御嶽削り井戸も破壊/宮古島 伊波参院議員が講演 | 沖縄タイムス+プラス

 【宮古島宮古島での陸上自衛隊配備に反対する市民らでつくる「ミサイルいらない宮古島住民連絡会」(仲里成繁代表)は23日、伊波洋一参院議員を招いた講演会を市内で開いた。伊波氏は陸自宮古島駐屯地内にある拝所「カーンミ御嶽」の保全区域について、当初の説明と違って大幅に削り取られた上、付近にあった井戸も壊されていると指摘。「防衛省は住民との約束をほごにした。復元を求めたい」と話した。

 

 伊波氏は7、12の両日に開かれた参院外交防衛委員会での政府側とのやりとりを映像で紹介した。防衛省は、住民から保全要請のあった井戸(カー)は現地調査で見当たらなかったとし、御嶽の保存は「地元の方々の合意形成を得た上で今の形になっている」と答弁した。

 

 伊波氏は、住民から「カーが壊されている」と実際に聞いていると反論。「約束違反であり復元を求める」と迫った。

 

 また、約1万400平方メートルあった御嶽について防衛省は今年1月、住民に7300平方メートルを保全予定だと回答したが、実際の保全範囲は4500平方メートルにとどまっていると指摘。同省は「緩衝地帯を含めて7300平方メートル」と説明を変更したといい、伊波氏は「なぜ、こんなに削られるのか。沖縄の文化や伝統に対する敬意が見られず、国際人権規約にも反する行為だ」と強調した。

 

 政府側は答弁で「保存は今後、地元の方々とよく話し合い適切に整備していきたい」との認識を示したという。

 

 講演会で伊波氏は、同省が住民に説明せず駐屯地に中距離多目的誘導弾などを運び込んでいたことにも触れ「約束を守らないのはおかしい。暮らしを守るためにも声を上げることが重要だ」と述べた。

 

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